[北海道] 幾春別の廃墟探訪と倉橋ルイ子
今回は日本の、北海道の、ほとんどの人は行かないだろう場所についての記事だ。英語はあまり関係しないが、たまにはいいだろう。
幾春別と幌内
幾春別がある一帯は空知地方と呼ばれ、日本でも有数の鉱山が集中する産炭地域であった。この街が属している三笠市には石炭を小樽に運ぶために北海道発の鉄道が敷かれた。
この幾春別とお隣の幌内の街は、未知なる土地の探検ということではたいへんお世話になった場所である。2012年の春だったと思う。街に入ると、下の写真の巨大な立坑が否が応でも目に飛び込んでくる。瞬間的に、管理小屋へ向かい、管理者の方にお願いして敷地に入れてもらった。廃墟巡りが趣味になったきっかけである。
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廃墟には歴史が刻印されている。廃墟に関心をもち、いろいろ調べるうちに、その場所にかつてあった繁栄を知ることになる。それがどうしていまのようになってしまったのかも。そして現地にいって茫然としたり陶然としたりする。
陶然というと変に響くかもしれないが、上の写真の幌内炭鉱変電所に初めて行ったときは本当にうっとりしてしまったのだ。夕刻だったせいもあると思うが、赤レンガの、産業施設とは思えないデザイン性の高い建物が、森閑と立っていた。現代風の産業施設に感じたことのない感覚であった。往時の日本人の意気込みが伝わってくるようであった。
三笠ジオパーク
変な言い方だが、トコシエが足繁く通っていた時代にあった、廃墟ならではの寂漠感、ほったらかし感はなくなっている。三笠ジオパークなるものに認定され、観光地化されたからだ。ご時勢なので仕方ない。
三笠は、一般道をのんびりドライブしていっても札幌から2時間ほどの距離である。高速を使えば1時間、北海道では近場のうちだ。
倉橋ルイ子
不勉強でつい先日まで知らなかったのだが、倉橋ルイ子は三笠市出身で父親は炭鉱で働いていたという。
彼女の持ち歌の中ではやはり「ガラスのイエスタデイ」が抜けて好きかもしれない。
再生リスト2曲目の「幾春別の詩」はなんと阿木燿子・宇崎竜童コンビの曲だ。そういえば、幾春別炭鉱跡を探索していたとき三笠市立博物館の前にこの曲の歌碑があったような気がする。
3曲目「ラストシーン~」と最後の「ガラスのイエスタデイ」を観れてもらばわかるように、1980年代初頭のデビュー時から既に大人びており、不思議に説得的な歌唱力がある。ポップス調だけでなく演歌調も違和感なくこなす。このひとが持っている独特の翳りは今も変わらない。
こういうのを個性というのであり、現代のアイドルにはないものだ。いや、今もこういう子はいるのだろうが、”資本の論理” がデビューを許さない。この人は、まだ日本に “余裕” がある時代だからデビューできたのだろう。でも、生き残っているのは実力だ。奔別の立坑と同じように立派である。
プレイリスト曲目
- ガラスのイエスタデイ(ライブ)
- 幾春別の詩
- ラストシーンに愛をこめて
- もうひとつの土曜日
- 海岸電車
- いつかどこかで
- 噂・Still Love You
- ラブ・イズ・オーバー
- ガラスのイエスタデイ(1981年)
倉橋ルイ子ベストアルバム
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